前回は、大型モニタースタンドについて、「○インチ対応」だけでなく、重量・VESA・移動・昇降・使い方まで見て選ぶ必要があることをご紹介しました。
では、実際にはどんな製品があるのでしょうか。ネットで検索すると1~3万円程度の商品も多数出てきます。一方、大学、学校、企業などで75インチ、86インチ、98インチといった大型ディスプレイを使う場合、耐荷重、安定性、移動性、配線、安全性まで考える必要があります。
今回は売れ筋ランキングではなく、法人・教育施設で比較対象になりやすい国内4メーカーを取り上げます。
- HAMILeX(ハヤミ工産)
- 一ノ坪製作所
- SDS(エス・ディ・エス)
- 朝日木材加工
※価格は2026年10月時点の通販等の掲載例で、あくまで目安です。

まず4メーカーをざっくり比較
| メーカー | 代表的な特徴 | 向いていそうな用途 |
|---|---|---|
| HAMILeX | ラインアップが豊富。価格・機能を選びやすい | 会議室、大学、一般的な大型モニター |
| 一ノ坪製作所 | 手動・電動昇降、大型・電子黒板向け | 教育施設、電子黒板 |
| SDS | 電動昇降、安全性・移動性を重視 | 学校、頻繁に高さを変える環境 |
| 朝日木材加工 | 100インチ超、高耐荷重、意匠性 | 超大型モニター、サイネージ |
同じ「大型モニタースタンド」でも、かなり性格が違います。
HAMILeX|920・820・620をどう使い分ける?
大型モニタースタンドでよく見かけるのがHAMILeXです。特徴的なのは、用途によってシリーズが分けられていること。
| シリーズ | 代表製品 | 対応 | 特徴 | 市場価格目安 |
|---|---|---|---|---|
| PH-920 | PH-928 | ~90V型・80kg | デザイン・配線・拡張性 | 約9万円 |
| PH-820 | PH-827B | ~85V型・80kg | 標準型・大型キャスター | 約6~7万円 |
| PH-620 | PH-627B | ~80V型・65kg | シンプル・必要十分 | 約5万円 |
PH-920|見た目まで整えたい
PH-928は90V型・80kgまで対応。配線を支柱内部に収納でき、棚板、CPUホルダー、カメラアタッチメントなどのオプションも用意されています。会議室などで、モニターだけでなくスタンドを含めた見た目を整えたい場合に向いたタイプです。
PH-820|標準型として比較しやすい
PH-827Bは85V型・80kgまで対応。大型キャスター、移動用ハンドル、配線収納を備えています。「高さは基本固定でいい。必要なら移動できればいい」という会議室や講義室なら、まず比較しやすいモデルです。

PH-620|機能を絞って価格を抑える
PH-627Bは80V型・65kgまで対応。PH-820よりシンプルですが、キャスター、高さ・角度調整など必要な機能は備えています。
つまりHAMILeXだけでも、
仕上がり重視 → 920
標準的に使う → 820
必要十分 → 620
と選べます。高い製品が必ず正解ではありません。
一ノ坪製作所|高さを変えるなら選択肢が広がる
一ノ坪製作所は、通常のスタンドに加えて大型モニター・電子黒板向けの昇降モデルが充実しています。
代表例として分かりやすいのがDS-RF75NYBU。55~86インチ、80kgまで対応し、ハンドル操作で画面中心を1220~1570mmまで上下できます。電動ではないため電源不要です。
価格は12万円前後から。HAMILeXの標準型より高くなりますが、理由は明確です。「設置時に高さを決める」のではなく、「使う人に合わせて高さを変える」ための機能があるからです。
特に電子黒板では、見るだけでなく画面を直接触るため、教師・児童・生徒など利用者によって適した高さが変わります。
「75インチを移動式にしたい」「電子黒板なので高さを変えたい」「98インチを載せられる?」といった段階からでも構いません。
モニターの型番が分かれば、サイズ・重量・VESA・使い方から対応スタンドを確認します。
SDS|電動昇降を「設備」として考える
高さを頻繁に変更するなら、電動昇降という選択肢があります。SDSのMH-6070は、60~70インチ、80kgまでの電子黒板に対応。リモコン操作で画面中心を約400mm上下でき、大型キャスター、移動用ハンドル、棚板なども装備しています。
価格帯は20万円前後。さらにSDSには70~100インチに対応する大型電動昇降モデルもあります。ここまで来ると、「テレビ台」ではなく、学校や企業で長期間使う設備と考えた方が分かりやすいでしょう。
毎日高さを変えるなら価値があります。逆に、会議室に置いたままほとんど高さを変えないのであれば、必要ない機能かもしれません。
朝日木材加工|100インチ超まで考える
朝日木材加工は家具・サイネージ系のイメージもありますが、大型ディスプレイ向けの業務用スタンドも展開しています。例えばPS-HIT21は、最大120V型・110kgまで対応。大型キャスターと広い脚部を備え、電子黒板などタッチ操作も想定されています。
100インチを超えると、耐荷重、VESA、スタンドの幅、キャスター、揺れ、搬入経路まで確認する必要があります。
もはや「テレビ台を選ぶ」というより、大型映像設備をどう設置するかという話になってきます。
4メーカーを見ると「価格差の理由」が分かる
今回見た製品は、おおむね5万円前後から20万円前後まで。かなり差があります。しかし、耐荷重、大型キャスター、配線処理、手動・電動昇降、安全機構、タッチ操作時の安定性など、価格差にはそれなりの理由があります。
だから、「一番高いものを選ぶ」でもなく、「一番安いものを選ぶ」でもない。用途に必要な機能を考えることが重要です。
次回|10万円を切る電動昇降スタンドを展示会で見つけました
ところが先日、東京ビッグサイトで開催された「第26回 総務・人事・経理Week」で、少し気になる製品を見つけました。
NB ERGONOMICの大型モニタースタンドです。65~98インチに対応する電動昇降式でありながら、10万円を切る価格帯。今回見てきた国内メーカーの電動昇降スタンドとは、かなり価格帯が違います。
だからこそ、どこまで使えるのか。価格差はどこから生まれるのか。どんな用途なら選択肢になるのか、が気になります。
次回は、実際に展示会で見たNB ERGONOMICを取り上げます。
スタンドも「必要なところにお金をかける」
大学で毎日移動する。児童・生徒が電子黒板を操作する。100インチ超を載せる。こうした用途なら、安全性や剛性には十分なコストをかけるべきです。一方、会議室へ設置し、ほとんど動かさない、という用途まで同じ仕様が必要とは限りません。
伊藤サプライでは、大型モニター本体だけでなく、スタンド・搬入・組立・設置まで含めて、「何が必要で、何はいらないのか」からご提案します。
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