MDLの製品構成・価格・保守を解説|法人PCのセミオーダー選び【第2回】

パソコンも「セミオーダー」で選ぶ時代?
MDLの製品と法人向けサービスを調べてみました

メーカー発掘ノート|株式会社モダンデザイン(MDL)

性能、価格、納期、アフターフォロー。
新興PCメーカー「MDL」に見る、法人向けパソコンの新しい選択肢。

前回の記事では、鹿児島発のPCメーカー「MDL(旧MDL.make)」の成り立ちや、同社が新しい市場を切り開いてきた歩みをご紹介しました。

ゲーミングPCを中心に成長してきたMDLですが、現在では法人向けのデスクトップPCや、キッティング・導入支援などにも事業領域を広げています。

では、実際にMDLのパソコンは、どのような特徴を持っているのでしょうか。
今回注目したのは、用途に合わせて構成を調整できる柔軟性と、価格面での魅力です。

一方、法人向けPCを選ぶ際には、業務適合性、信頼性・耐久性、コスト、納期、アフターフォローなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。今回は、具体的な製品とメーカーのサポート体制を確認しながら、MDLの魅力と導入時に押さえておきたいポイントをご紹介します。

1. パソコンも「セミオーダースーツ」のように選ぶ

MDLのパソコンを理解するうえで、分かりやすいのが「セミオーダースーツ」という例えです。

既製品のスーツであれば、決められたサイズやデザインから選びます。一方、フルオーダーであれば、生地や寸法、細かな仕様まで一から決めて仕立てます。その中間にあるのがセミオーダーです。基本となる型を選び、用意された選択肢の中で、自分の体型や好みに合わせて調整していきます。

MDLのPCも、これに近い考え方で捉えられます。基本となるモデルを選び、必要に応じてメモリやSSDなどの構成を変更する。すべての部品を自由に指定するわけではありませんが、用途や予算に応じた選択が可能です。

MDLの法人向けデスクトップPC

メーカーから提供された資料には、次のようなモデルが掲載されています。

モデル名 搭載CPU メモリ選択肢 ストレージ
Slim Entry(MDL-ISE) Core i3-14100 8GB / 16GB 500GB
Slim Standard(MDL-ISS) Core i5-12400 8GB / 16GB 500GB
Slim Cost(MDL-RSC) Ryzen 5 5500GT 8GB / 16GB 500GB
Slim Performance(MDL-RSP) Ryzen 7 5700G 8GB / 16GB / 32GB 1TB

※2026年9月のメーカー提供資料に基づく構成です。いずれもWindows 11 Pro搭載として案内されています。現行の販売構成とは異なる場合があります。

CPU|IntelかAMDか。性能だけでなく納期も選定材料に

MDLのラインナップには、Intel製CPUを搭載したモデルとAMD製CPUを搭載したモデルがあります。ここで注目したいのは、単にどちらのCPUが高性能か、どちらが安いかということだけではありません。

パソコンの調達では、CPUやメモリ、SSDなどの部材供給状況によって、納期が大きく変動することがあります。例えば、Intel製CPUを搭載した希望構成が部材不足によって希望納期に間に合わない場合でも、必要な業務性能を満たすAMD製CPUのモデルであれば、調達できる可能性があります。もちろん、その逆もあります。

ただし、CPUを変更すれば必ず納期が短縮されるわけではありません。マザーボードなどの関連部材も変わるため、構成全体の供給状況を確認する必要があります。それでも、要求される性能を満たす複数の構成を比較できることは、調達の柔軟性につながります。

特に、年度末の設備更新、新年度に向けた学校・研究機関の機器導入、オフィスの新規開設などでは、指定された時期までに納品できるかが重要になります。必要な性能を満たしながら、価格だけでなく納期も含めて構成を選ぶ。こうした選択肢があることも、セミオーダー型PCのメリットの一つといえるでしょう。

メモリ|8GBと16GB。その差を4年間のコストで考えてみる

パソコンを購入する際、販売店などでこんな説明を耳にすることがあります。
「事務作業程度なら8GB、マルチタスクなら16GBで十分です」

一見、分かりやすい説明ですが、現在の法人PCの利用環境を考えると、少し単純すぎるかもしれません。

パソコンのメモリは、WindowsなどのOS、ブラウザ、Microsoft Officeといった一般的なアプリケーションで消費されます。それだけではありません。昨今の企業環境では、EDRなどのエンドポイントセキュリティ製品、VPNクライアント、Microsoft Teamsなど、バックグラウンドで稼働するアプリケーションも増えています。

もちろん、これらのメモリ使用量は、導入されているソフトウェアや利用環境によって異なります。しかし、「Excelとメールが中心だから8GBで十分」とは、一概に言い切れないのが実情ではないでしょうか。用途を限定した端末であれば、8GBでも問題なく運用できる場合があります。一方、一般的な法人PCを4年間程度使用するのであれば、16GBを標準として検討することも合理的でしょう。

ここで、追加コストを考えてみます。仮に、メモリ8GBと16GBの構成差額が5,000円〜10,000円だったとします。PCの更新サイクルを4年間、年間240営業日、合計960営業日とすると、追加コストは1営業日あたり約5〜10円です。

この程度の差額であれば、今後のソフトウェア更新やセキュリティ要件の変化、業務負荷の増加も見据え、余裕のある構成を選ぶという判断は十分に成り立ちます。
※差額は説明のための仮定であり、MDLの実際のメモリオプション価格を示すものではありません。

MDLのSlimシリーズでは、モデルに応じて16GBや32GBの構成も用意されています。購入時点で必要な性能だけでなく、次の更新時期まで快適に使用できるかを考える。それも、法人PCの合理的な選び方の一つです。

ストレージ|大容量であることが、必ずしも正解ではない

ストレージについても、単純に大容量の製品を選べばよいわけではありません。

例えば、Microsoft 365やOneDrive、SharePointなどのクラウドサービスを中心に利用している企業であれば、ローカルPCに保存するデータ量を抑えられる場合があります。一方、動画編集や画像処理、研究データの解析などでは、ローカルストレージの容量や読み書き性能が重要になります。また、クラウド環境を利用していても、同期ファイルや一時ファイル、アプリケーションのデータなどを保存するため、一定の空き容量は必要です。

MDLのSlimシリーズには、500GBや1TBのストレージを備えたモデルがあります。製品によってはストレージの増設や構成変更も相談できます。利用するソフトウェアやデータの保存方法を踏まえ、必要な容量を検討する。ストレージもまた、業務環境に合わせて選ぶべき項目といえるでしょう。

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2. 価格|大きな魅力の一つは、コストパフォーマンス

ここまで製品構成について見てきましたが、MDLの魅力として見逃せないのが価格です。2026年9月時点の同社資料は以下の通りです。。

製品名 想定スペック 掲載価格(2026/9) 他社同等品価格
MDL Slim Entry Core i3-14100 / 16GB DDR4 / 500GB / Intel UHD Graphics 115千円〜 130~150千円
MDL Slim Pro Core i7-14700 / 32GB DDR4 / 1TB / Intel UHD Graphics 196千円〜 230~320千円
MDL Slim Performance Ryzen 7 5700X / 16GB DDR4 / 1TB / Ryzen 7 5700X 118千円〜 190~240千円

※公式ショップの公開販売価格。メモリやSSDなどの構成条件、送料、各種オプションによって購入総額は異なります。

これらは、MDLの価格面での特徴を知るうえで参考になるラインナップです。法人向けデスクトップPCは、同程度の用途を想定した製品であっても、メーカー、CPUの世代、メモリ、ストレージ、保証内容などによって販売価格が異なります。そのため、公開価格だけを見て、単純にどちらが安いと判断することはできません。

一方、MDLのような新興メーカーも比較対象に加えることで、従来とは異なる製品構成や価格帯の選択肢が生まれます。例えば、20台のパソコンを更新する場合、要求仕様を満たす製品同士で1台あたり2万円の価格差があれば、総額では40万円の違いになります。

もちろん、これは仮定の試算です。実際には本体価格だけでなく、初期設定、キッティング、周辺機器、保守費用なども含めて比較する必要があります。それでも、予算に制約がある企業や学校にとって、選択できる価格帯が広がることは魅力です。必要な仕様を満たしたうえで、どこまでコストを最適化できるか。MDLは、そうした検討の際に候補に加えてみたいメーカーの一つです。

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3. 法人向けなら、購入前の事前調査も欠かせない

ここまでMDLの構成や価格面の魅力をご紹介してきました。一方、法人向けPCを導入する場合には、スペック表や販売価格だけでは分からない点も確認しておきたいところです。特に、新しく取引するメーカーについては、製品の信頼性や耐久性、納期、サポート体制など、購入前に確認しておきたい項目があります。

ネット上の評価をどう受け止めるか

MDLについてインターネットで調べると、価格や製品構成を評価する声がある一方、納期や初期不良、問い合わせ対応などについて、否定的な口コミや記事も見受けられます。こうした情報は、どのように受け止めるべきでしょうか。

一般に、人は肯定的な経験よりも否定的な経験に強く反応する傾向があり、これは「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれています。また、強い不満を抱いた際、口コミやSNSへの投稿を通じて感情を発散することもあるでしょう。こうした心理的な要因や、投稿する人の偏りなどによって、インターネット上の評価が購入者全体の経験を正確に反映しているとは限りません。ただし、これは個々の苦情に根拠がないという意味ではありません。

重要なのは、ネット上の情報を鵜呑みにすることでも、無視することでもなく、指摘されている内容を具体的な確認事項に置き換えることです。

  • 納期についての不満があるなら:希望する製品構成と台数について納期を確認する。
  • 初期不良や修理対応への不安があれば:保証の範囲や修理方法、所要期間を確認する。
  • 採用部材が気になるのであれば:仕様や品質管理、交換部品の供給体制について問い合わせる。

MDLの公式サイトには、注文、納期、保証、修理などについて詳細なFAQが掲載されています。また、電話や公式LINEによる年中無休の相談窓口(受付時間 11:00〜21:00)も設けられています。こうした公開情報や相談窓口を活用し、気になる点を一つずつ確認していくことで、新しいメーカーについても具体的な判断材料を集めることができます。

納期は、製品構成と数量を指定して確認する

特に、法人向けの調達で忘れてはならないのが納期です。MDLの公式サイトでは、商品や案内ページによって異なる出荷目安が示されています。

BTO方式では受注後の組立や部品調達が発生するため、注文する構成や部材の供給状況によって納期が変わる場合があります。そのため、例えば「Core i5、メモリ16GB、SSD 500GBを20台」といった具体的な条件を伝え、希望する時期までに納品できるかを確認することが重要です。

価格だけでなく、納期を含めて調達条件を検討できるかどうかも、法人向けPC選定のポイントといえるでしょう。

4. 購入後のアフターフォロー|MDLではどうなっているのか

法人向けPCでは、購入後の対応も重要です。特に複数台を導入する場合、初期設定やキッティングなどの導入支援に加え、故障時の対応や保守条件も確認しておく必要があります。

法人向けのキッティング・導入支援

MDLでは、法人向けの専門窓口を設け、PCの選定から導入、キッティング、運用後のサポートまで相談できる体制を案内しています。公式サイトによると、1台から数百台までの導入相談に対応しており、次のようなサービスも案内されています。

  • OSやアカウントの初期設定
  • ソフトウェアのインストール
  • 資産管理ラベルの貼付
  • セキュリティ設定
  • 各種キッティング・設置設定
  • 導入後の運用支援

例えば、20台のPCを導入する場合、本体が届くだけでは業務を開始できないこともあります。利用者ごとのアカウント設定、業務ソフトウェアの導入、セキュリティポリシーへの対応など、導入前に必要な作業があるためです。

MDLがこうした法人向けサービスを用意している点は、単なる個人向けPC販売にとどまらない取り組みとして注目できます。なお、具体的な作業範囲や費用、設置場所への対応などは個別に確認する必要があります。

365日サポートと、故障時の修理体制

MDLの法人向けページでは、365日のサポート体制が案内されています。専門スタッフがメール・電話・リモートで問い合わせに対応する仕組みです。また、修理受付は国内で対応しています。

一方、ハードウェアが故障した場合の対応には、確認しておきたい点があります。MDLの標準保証は製品到着日から1年間で、修理は原則として故障したPCをメーカーに送付する「センドバック方式」となっています。メーカーの修理規定によると、修理品の返却までの目安はおおむね7〜10日程度です(部品の取り寄せ等によってそれ以上の時間が必要になる場合もあります)。また、修理期間中の代替機貸出は行っていません。

延長保証プランも用意されていますが、保証期間の長さと、故障時の復旧時間は別の問題です。例えば、予備機を確保している職場や、別のPCで業務を継続できる環境であれば、センドバック方式でも対応できる場合があります。一方、故障による業務停止が許されない環境では、訪問修理や代替機の提供を含む保守サービスを備えた製品も比較対象となります。

導入時の価格だけでなく、故障したときに業務をどう継続するか。そこまで含めて考えることが、法人向けPCを選ぶうえでは重要です。

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他社同等品との価格比較や、スペック比較も承ります。型番未定の段階からご相談ください。

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5. 伊藤サプライの取扱メーカーについて

伊藤サプライでは、国内外の主要PCメーカーをはじめ、幅広いメーカーの製品を取り扱っています。実際の販売においても、こうした主要ブランドが大きな割合を占めています。

一方、法人向けPCの調達では、希望納期や厳しい予算制限、必要な仕様、導入台数など、複数の条件を同時に満たす必要があることも少なくありません。そうしたご要望にも柔軟に対応できるよう、MDLのような新興メーカーとも積極的に関係づくりを進めています。製品ごとの特徴や供給状況、サポート条件を把握しながら、お客様にご提案できる選択肢を広げています。

最後に|個人向け製品にも、ちょっと気になるラインナップ

今回は法人向けPCを中心にご紹介しましたが、MDLの製品を調べる中で、個人向けのラインナップにも興味深いものがありました。

その一つが、ゲーミングPCのスターターセットです。パソコン本体だけでなく、モニター、キーボード、マウス、マウスパッド、ヘッドセットなど、PCゲームを始めるための周辺機器をまとめたセットが用意されています。例えば、Ryzen 5 5500とGeForce RTX 3050を組み合わせたスターターセットは、2026年10月時点で10万円台の価格帯で販売されています。初めてゲーミングPCを購入する方にとって、必要な機器を一つずつ探す手間を減らせる点は魅力でしょう。

また、有線ゲーミングキーボード「COSMO 61」も印象的でした。61キーのコンパクトな本体にRGBバックライトを組み合わせた製品で、公式掲載価格は5,800円(税込)。数千円台という価格ながら、デザイン面でも目を引く製品です。

法人向けPCとは少し異なる分野ですが、こうしたラインナップにも、新しいメーカーならではの商品づくりの面白さを感じます。全国には、まだ広く知られていない魅力的なメーカーが数多くあります。今後も、こうした特徴のあるメーカーや製品をご紹介していきたいと思います。

株式会社伊藤サプライ

1975年創業。東京・神奈川を中心に、企業・学校・官公庁・研究機関のIT機器・オフィス環境整備を支援しています。
PC・OA機器、映像設備、家具・什器など幅広いメーカーの製品を取り扱い、選定から見積・納品・設置までご相談を承っています。

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