伊藤サプライ 社内実践コラム
AI時代、PCより先にモニターを見直す?
「AI PC」という言葉を目にする機会が増えました。
生成AIを仕事で使うなら、PCも高性能なものに買い替えた方がいいのではないか。
そう考えるのは自然なことだと思います。
ただ、伊藤サプライでもChatGPT、Gemini、Claude、Gensparkなどをバックオフィス業務で日常的に使うようになり、少し違うことを感じています。
AIを仕事で使ううえで、先に足りなくなったのはPCの性能ではありませんでした。
足りなくなったのは、
「画面」です。
現在、弊社では一部の業務で49インチの曲面ウルトラワイドモニターを使っています。
今回は商品比較ではなく、なぜAIを仕事で使うようになると大型モニターが欲しくなるのか、実際に使って感じたことをまとめます。
【今回検証する弊社利用環境の仕様】
- 画面サイズ: 49インチ曲面ウルトラワイド(32:9)
- 解像度: DQHD(5120×1440)
- 主な利用業務: バックオフィス全般、調査、資料作成、コンテンツ編集
- 同時併用AI: ChatGPT、Gemini、Claude、Genspark ほか
1. ChatGPTを使うだけなら、高性能PCは必須ではない
まず前提として、ChatGPTやGemini、Claudeなど一般的なクラウド型生成AIの場合、AIの大規模な計算処理そのものを手元のPCですべて行っているわけではありません。
PCやブラウザから指示を送り、主な処理はクラウド側で行われます。
そのため、
一般的なクラウドAIの利用であれば、処理速度は主にサーバー側の性能や通信環境に依存します。手元のPCのCPUを最上位にしても、AIからの回答生成そのものが何倍も速くなるわけではありません。
もちろんPC性能が関係ないわけではありません。
大量のExcelデータを扱う、動画編集をする、CADを利用する、非常に多くのブラウザタブを開く、あるいはPC上でAIモデルを直接動かすのであれば、CPU・GPU・メモリなどは重要です。
一方、文章作成、調査、要約、資料作成といった一般的な業務でクラウドAIを利用するのであれば、一定以上の性能を持ったPCなら、PCを高性能化することよりも仕事環境を見直した方が効果を感じることがあります。
弊社の場合、それがモニターでした。

2. AIを使い込むほど、画面が足りなくなる
生成AIを一つだけ開いて、「この文章を要約して」とお願いいするだけなら、ノートPCの画面でも十分です。
しかし、AIを仕事に組み込み始めると使い方が変わります。
例えば弊社では、
- ChatGPTに構成を考えさせる
- Geminiにも同じテーマを調べてもらう
- Claudeに長文を整理してもらう
- Webブラウザで元情報を確認する
- 出来上がった内容をExcelやWordなどで加工する
といったことを同時に行います。
つまり、
「AIを使う」のではなく、「複数のAIと人間が並行して作業する」
ようになってきます。
すると、PCの処理速度とは別の問題が出てきます。
ウィンドウを置く場所がありません。
32インチでも、快適なのは2画面程度だった
32インチのモニターでも、一般的な事務作業なら十分大きいと思います。
例えば、
ChatGPT | Excel や ブラウザ | Word という2分割なら快適です。
ところが、
ChatGPT | Gemini | Claude | Excel
となると、一つ一つのウィンドウが細くなってきます。
結局、
「ChatGPTを見る」 → 「Geminiに切り替える」 → 「Excelを開く」 → 「またChatGPTに戻る」
という操作が増えていきます。一回一回は数秒ですが、この「ちょっとした画面切り替え」が一日の中で何度も発生します。
そこで考えたのが、
PCをさらに高性能にするより、画面そのものを広くした方が仕事がしやすいのではないか。
ということでした。
3. そこで49インチのウルトラワイドモニターを使ってみた
現在弊社で使っているのは、49インチの曲面ウルトラワイドモニターです。
49インチと聞くと、「テレビみたいなものを机に置くの?」と思われるかもしれません。
しかし、一般的な49インチのウルトラワイドモニターは、テレビのように縦横とも大きいわけではありません。非常に横長です。
感覚としては、
27インチ程度のモニターを横に2枚並べ、中央の枠をなくしたもの
に近いと思います。これがAIとの相性が非常に良かったのです。
ChatGPT、Gemini、Claudeなどを並べて同時実行・情報収集させる思考エリア。
AIが出した回答をもとに、ExcelやWord、社内システムでデータを加工・完成させる作業エリア。
使ってみて分かったのは、大型モニターのメリットは単純に「大きく見える」ことではありません。
仕事の途中にある情報を、消さずに置いておけること。
これがかなり大きいと感じています。
4. AI時代に重要なのは「処理能力」だけではなく「表示能力」
従来、PCの仕事環境を改善するといえば、CPU、メモリ、ストレージなど、PC本体の性能を上げることが中心でした。
もちろん、それらは現在でも重要です。
しかしクラウド型AIが一般的になってくると、別の問題が出てきます。
人間が同時に確認しなければならない情報が増えることです。
- AIの回答
- 元になったWebサイト
- Excel / PDF
- メール / 社内資料
これらを行ったり来たりしながら仕事をします。
そう考えると、AI時代の仕事環境では、「どれだけ速く処理できるか」と同じくらい、「どれだけ同時に見られるか」が重要になるのではないでしょうか。
5. 大型モニターなら何でもいいわけではない
ただし、ここには注意点があります。
40インチ以上であれば何でも仕事がしやすくなるわけではありません。
重要なのは、画面サイズだけでなく、解像度と画面の形です。
例えば40インチでもフルHDであれば、画面そのものは大きくなりますが、表示できる情報量はそれほど増えません。
一方で、
- 43インチ4K
- 40インチ前後の5K2Kウルトラワイド
- 49インチ32:9
などは、それぞれ表示できる情報量や使い方がかなり異なります。
ここは商品を選ぶうえで非常に重要なポイントなので、具体的な製品については別の記事で比較することにしました。
【2026年版】仕事で使う40インチ以上の大型モニター比較

6. もう一つ分かったこと。「49インチは自分で設置できる」は結構きつい
大型モニターを実際に使って、もう一つ感じたことがあります。設置です。
弊社でも大型モニターをご案内すると、
「モニターくらい自分で設置できます。設置費はいりません」
と言われることがあります。32インチくらいまでなら、そう考える方が多いのも分かります。私自身もそう思っていました。
ところが49インチになると、話が変わります。
10kgを超える重量そのものよりも、「横幅が1mを大きく超える、薄い精密機器を持つ」ことが大変なのです。
箱から出す → スタンドを取り付ける → 液晶面に力をかけないように持ち上げる → 机の奥に置く → ケーブルを接続する → Windows側で正しい解像度に設定する。正直、想像していたよりかなり大変でした。特に49インチクラスは、無理に一人で作業するより二人で設置した方が安心です。
「自社で設置できるか不安」「今のPCで映るか確認したい」方へ
伊藤サプライでは、デスク環境やPCスペックの事前確認から、搬入・設置までまとめてご相談を承っております。
7. 大型モニターは「購入して終わり」ではない
40インチを超えてくると、モニター選びでは製品スペック以外にも確認しておきたいことがあります。
【購入前に必ず確認したいチェック項目】
- デスクの幅と奥行き: 画面との距離が取れるか
- 本体サイズと重量: アームや台座が耐えられるか
- PC側の映像出力: HDMI・DisplayPort・USB-Cの仕様
- 対応解像度とケーブル: 5K/4K出力に対応したスペックか
- 搬入ルートと設置体制: 1m超の梱包箱が通るか
特に高解像度のウルトラワイドモニターでは、PCやドッキングステーション側がその解像度に対応できるかも重要です。
大型モニターでは、「モニターを選ぶ」だけではなく、「PC・デスク・設置まで含めて考える」必要があります。
8. AI PCを買う前に、一度「画面」を見直してみる
AI時代というと、どうしてもPC本体に注目が集まります。
もちろんPCを買い替えた方がよいケースもあります。
ただ、ChatGPT、Gemini、Claudeなどのクラウド型AIを中心に使っているのであれば、一度考えてみてもよいと思います。
本当に遅いのはPCなのか。
それとも、画面が狭いために、人間が何度も画面を切り替えているのか。
弊社では後者でした。その結果、現在は49インチのウルトラワイドモニターを使っています。
大型モニターは、もはや会議室だけの設備ではありません。
AIを複数使う人、大量のExcelや資料を見る人、複数のWebサイトを比較しながら仕事をする人にとっては、PCを買い替える前に検討する価値のある仕事道具だと思います。
伊藤サプライでは大型モニターの選定・設置も対応しています
「43インチと49インチのどちらがいいのか」「今使っているPCで接続できるのか」「デスクに置けるサイズか」「設置までお願いしたい」といった段階からでもご相談いただけます。モニター単体ではなく、PC・デスク・配線・設置まで含めた仕事環境としてご提案します。