営業先で地震。そのとき、あなたはどこで夜を過ごしますか?

「むやみに帰らない」が基本の今、
営業バッグに入れておくべき最低限の備え

企業の防災・BCPコラム

営業先で地震。そのとき、あなたはどこで夜を過ごしますか?

〜 営業バッグに入れておくべき「現実的」な備え 〜

東日本大震災が起きた2011年3月11日。
私は仕事で外出していて、遅い昼食をとっているところでした。

大きな揺れのあと、まず考えたのは「会社に戻ろう。できれば家に帰ろう」ということ。
しかし電車は止まり、結局、その日は深夜まで歩いて帰宅することになりました。

今でも、ときどき思います。
途中で営業している店を見つけたとき、自転車を買っていたら、もっと楽に帰れたのではないか。
そしてもう一つ。
その後に訪問予定だった営業先に、
「今日はここにいさせてもらえませんか」
とお願いしていたら、そもそも無理に帰らなくてもよかったのではないか。

当時は、とにかく「帰らなければ」と思っていました。

1.今は「むやみに帰らない」が基本

現在、東京都は大規模災害が発生した際、むやみに移動を開始せず、職場や安全な場所に留まることを基本としています。
多くの人が一斉に帰宅すると、救命・救助活動の妨げになったり、移動中に二次被害に遭ったりする可能性があるためです。

もし今、営業先で地震に遭ったなら、
「どうやって帰るか」より、まず「どこで安全に待つか」。
東日本大震災を経験した今なら、そう考えると思います。

2.でも、営業先の備蓄を当てにしていい?

ここでもう一つ問題があります。

自分の会社なら、防災備蓄がどこにあるか、ある程度分かります。
でも営業先は違います。
水や非常食が用意されていたとしても、来客である自分の分まで用意されているとは限りません。

だからといって、大きな防災リュックを背負って毎日営業するのも現実的ではありません。
そこで考えたいのが、
「普段の営業バッグに入れられる程度の備え」です。

3.防災用品を何種類も持つ必要はない

昔と違い、今はスマートフォンがあります。
スマートフォンがあれば、

  • 家族や会社との連絡
  • 災害情報の確認
  • 地図
  • ライト

など、いくつもの役割を一台で担えます。

となると、持ち歩く防災用品は、
「スマートフォンを使い続けるためのもの」「スマートフォンでは代用できないもの」
を中心に考えればよさそうです。

私たちなら、まずこのくらいから考えます。

持っておきたいもの 理由
モバイルバッテリー スマートフォンを連絡・情報収集・地図・ライトとして使い続ける
携帯トイレ 災害時にトイレが使えない場合に備える
小さな水 最低限の水分補給
小型の非常食 数時間以上の待機に備える

必要な人は、これに常用薬や予備の眼鏡などを加える。
そのくらいなら、普段の営業バッグにも無理なく入れられそうです。

営業バッグに入れる備え

4.実際の災害でもモバイルバッテリーが役立った

大田区が紹介している能登半島地震の体験談には、
「モバイルバッテリーを持って避難したので、バッテリーには困らなかった」
という声があります。

大田区も、停電への備えとしてモバイルバッテリーを挙げています。
スマートフォンにいろいろな機能を集約できる今だからこそ、まずその電源を確保する。
これは、外出の多い営業職には特に現実的な備えだと思います。

5.大切なのは「その瞬間、手元にあるか」

会社に水や非常食を備蓄していても、地震が起きたときに営業先にいれば使えません。
東日本大震災の日の私もそうでした。

防災用品は、
「何を持っているか」だけではなく、「地震が起きた瞬間にどこにあるか」。

営業で外に出る社員がいる会社なら、一度、

「平日の午後3時に地震が起きたら、その社員のバッグには何がありますか?」

と考えてみてはいかがでしょうか。

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