防災用品に補助金は使える?東京・城南エリアの助成制度【2026】

備蓄品は東京都、止水板は世田谷・目黒・大田・品川!
失敗しない助成金の活用手順

非常食、保存水、簡易トイレ、ヘルメット、ライト、ポータブル電源……。
企業が従業員のために防災用品を揃えようとすると、人数によっては数十万円、設備まで含めればさらに大きな費用になります。

そこで知っておきたいのが、企業の防災対策に利用できる助成金・補助制度です。
東京の中小企業には、防災用品や設備の導入に利用できる東京都の助成制度があります。
さらに、世田谷区・目黒区・大田区・品川区では、建物への浸水を防ぐ「止水板」について独自の助成制度が設けられています。

ただし、大切なのは、「防災用品なら何でも同じ補助金が使えるわけではない」ということです。

2026年8月20日時点の制度をもとに、企業の防災対策と助成金について整理してみます。

一目でわかる|城南エリアの企業防災で検討できる主な制度

制度・自治体 対象アイテム 主な助成内容 導入でのポイント
東京都 BCP実践促進助成金 備蓄品、発電機、転倒防止、止水板等 中小1/2・小規模2/3
(上限500万円)
事前のBCP策定が必須要件
世田谷区 止水板設置等助成 止水板設置工事・簡易型止水板購入 設置工事・関連工事・簡易型購入助成 2026年度新設。簡易型の購入も対象
目黒区 止水板設置工事助成 止水板設置工事 工事費の3/4(上限150万円※) 登記1年以上の法人。設置工事が必要
大田区 止水板設置助成 止水板設置工事・簡易型止水板購入 工事3/5(150万)/簡易型3/5(20万) 簡易型単体購入も最大20万円助成
品川区 止水板設置等助成 止水板設置工事・簡易型止水板 設置費用の3/5(上限150万円※) 区内全域建築物が対象。事前申請必須

1.非常食や保存水なら、まず東京都の「BCP実践促進助成金」

東京の中小企業が最初に確認したいのが、東京都中小企業振興公社の「BCP実践促進助成金」です。
この制度は、策定したBCP(事業継続計画)を実践するために必要となる物品や設備の導入費用を助成するものです。

対象には、例えば次のようなものがあります。

  • 従業員用の備蓄品
  • 発電機・ポータブル電源
  • 安否確認システム
  • 土のう・止水板
  • 家具等の転倒防止装置
  • データバックアップ設備 など

つまり、非常食、保存水、簡易トイレなどを含む企業の備蓄対策にも利用できる可能性があります。

助成率は最大2/3、上限500万円

単独型の場合、助成率は、助成限度額500万円(申請下限額10万円)となっています。

事業者区分 助成率 助成上限額
中小企業者 1/2以内 500万円
小規模企業者 2/3以内 500万円

少人数分の非常食だけを購入するというより、
「保存水+非常食+簡易トイレ+ポータブル電源+転倒防止用品」
といった形で、会社全体の防災環境を整備するときに検討したい制度です。

ただし「防災用品を買うだけ」では利用できません

ここは注意が必要です。BCP実践促進助成金では、公社によるBCP策定支援を受ける、または中小企業庁の「事業継続力強化計画」の認定を受けるなど、あらかじめBCPを策定していることが主な申請要件となっています。

つまり、
防災用品を買う ➔ あとから補助金を探す、という順番ではありません。
むしろ、

会社の災害リスクを考える ➔ BCPを策定する ➔ 必要な防災用品・設備を決める
助成金を申請する交付決定後に導入する

という考え方になります。補助金ありきではなく、会社に何が必要なのかを先に考えることが重要です。

2.城南エリアでは「浸水対策」にも注目

東京の防災というと地震を思い浮かべがちですが、近年は台風やゲリラ豪雨などによる浸水への対策も重要になっています。
世田谷区・目黒区・大田区・品川区では、いずれも店舗や事務所を対象に含む止水板の助成制度があります。

世田谷区|2026年度から止水板助成がスタート

世田谷区では、2026年度から「止水板設置等助成制度」が始まりました。対象は住宅だけではなく、事務所等の所有者または使用者も含まれます。

対象となる費用は、「止水板設置工事」「関連工事」「簡易型止水板の購入」です。
非常食や保存水は「災害が起きた後」に役立つものですが、止水板はそもそも会社や倉庫に水を入れないための対策です。特に1階に商品・書類・パソコンなどを置いている企業や、地下スペースがある事業所では検討しておきたい設備です。

目黒区|法人なら3/4、最大150万円

目黒区では、住宅だけでなく店舗・事務所等への止水板設置工事を助成しています。2026年度は制度が拡充されており、法人の場合「助成率:工事費の3/4」「上限:150万円」となっています。

(※ただし150万円の上限が適用されるのは、申請日の1年以上前から目黒区内に本店または支店等を登記している法人です。それ以外の法人は上限75万円となります。)
また、目黒区の場合は止水板の購入だけでは対象にならず、設置工事が必要です。工事開始前の申請も必要です。
なお目黒区では、区内事業所も対象とした防災用品(家具転倒防止器具、携帯トイレ、非常食等)の販売あっせんも実施しています。

大田区|法人は3/5、工事なら最大150万円

大田区にも止水板設置助成制度があります。2026年度現在、法人が止水板設置工事を行う場合「助成率:3/5」「上限:150万円」です。

さらに特徴的なのが、工事を伴わない簡易型止水板の購入についても「助成率:3/5」「上限:20万円」まで助成対象となっていることです。大がかりな施工までは必要ないものの、事務所や店舗の入口からの浸水を防ぎたい企業には利用しやすい制度でしょう。
対象地域には、過去に浸水被害が発生した地域のほか、ハザードマップ上の浸水想定区域などの条件があります。

品川区|法人は3/5、最大150万円

品川区でも、住宅・店舗・事務所等を対象にした「止水板設置等助成」を実施しています。2026年度の法人向け助成は「助成率:設置費用の3/5」「上限:150万円」です。(※登記1年未満の法人は上限75万円)

現在は区内全域の建築物が対象となっており、脱着式だけでなく一定の性能を満たす簡易型止水板も対象です。設置工事については事前申請が必要です。

3.では、何をどの制度で揃える?

ここまで見ると、防災用品によって利用する制度が違うことが分かります。

  • 非常食・保存水・簡易トイレなど:まず検討したいのは、東京都「BCP実践促進助成金」です。
  • ポータブル電源・転倒防止など:こちらもBCPに位置付けることで、東京都「BCP実践促進助成金」の対象となる可能性があります。
  • 事務所への浸水を防ぐ止水板:東京都の制度に加えて、世田谷区・目黒区・大田区・品川区の独自助成制度を確認するという考え方になります。
備蓄は「東京都」、建物の水害対策(止水板)は「各区」も確認する!

4.防災用品は「何を買うか」と同時に「どこに置くか」も大切

防災用品をまとめて防災倉庫に入れておけば安心、とは限りません。
例えば、災害発生直後に必要になる、ヘルメット、ライト、最低限の飲料水、防災ポーチなどは社員それぞれのデスクの下などすぐ手の届く場所に。

ブルーシート、救急用品、エリア地図など複数の人が使うものは休憩スペースなどの共有部に。
そして、2~3日目に使用する備蓄食料、大容量の保存水、毛布、衛生用品などはまとまった量を防災倉庫に保管する。

このように、「いつ使うものなのか」から逆算して配置することも、企業防災では大切です。

5.補助金を探す前に「会社で何が止まるか」を考える

防災対策というと、非常食や保存水を買うことから考えがちです。
しかし、本当に考えるべきなのは、「災害が発生したとき、自社では何に困るのか?」ということです。

  • 社員が帰宅できなくなるなら ➔ 食料・水・トイレ
  • 停電で業務が止まるなら ➔ ポータブル電源
  • 棚やキャビネットが危険なら ➔ 転倒防止対策
  • 1階や地下への浸水リスクがあるなら ➔ 止水板

必要な対策を考えたうえで、利用できる補助金・助成金を探す。その順番で考えれば、「買ったけれど使えない防災用品」ではなく、本当に会社を守る備えにつながります。

※防災用品をまとめて導入する前に
東京都や各区の助成制度には、対象事業者、対象商品、申請時期、購入・工事時期など細かな条件があります。特に、購入・工事を行ってからでは申請できない制度もあります。世田谷区・目黒区・大田区・品川区をはじめ、東京都内で防災用品や防災設備をまとめて導入する場合は、購入前に最新の制度を確認することをおすすめします。
(※本記事は2026年8月20日時点の東京都および各区の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更・終了する場合がありますので、実際の申請時には各自治体・実施機関の最新情報をご確認ください。)

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