法人防災・非常食選定ガイド
震災現場で見えた「調理水」の盲点。
非常食はある。保存水もある。それなら会社の食料備蓄はひとまず安心――。
そう思っていたのですが、一つ気になったことがあります。
「その非常食を作るための水は、どこから出すのだろう?」ということです。
過去の震災では、断水や水圧低下だけでなく、水道水の濁りが発生しました。行政は、安全性が確認されるまで「飲料用だけでなく調理用としても使用しないよう」呼びかけました。蛇口から水が出ない。あるいは、水は出ても食事には使えない。そういう状況は実際に起こります。
そこで今回は、企業や学校の非常食を「何年保存できるか」ではなく、「食べるためにどれだけ水を使うか」という視点から考えてみました。
1.結論:飲料水は必要。でも「調理用に使う水」は減らせる
最初に整理しておきます。
この記事でいう「水を使わない非常食」とは、「飲料水を備蓄しなくてもよい」という意味ではありません。人が生きるための飲料水は当然必要です。
考えたいのは、限られた保存水を、非常食の調理にどこまで使うのかということです。
農林水産省も、発災当日の備えとして「水1L+調理不要な非常食3食」という組み合わせを紹介しています。発災直後は精神的にも落ち着かず、ライフラインが停止し火も使えない可能性があるためです。
つまり、「少なくとも初日の食事は、調理しなくても食べられるものを用意する」ことは非常に合理的な考え方です。
2.「水で作れる」と「水を使わない」は違う
非常食としてよく知られているのがアルファ化米です。もちろん非常に優れた備蓄食品ですが、調理には1食あたり約160mlの水またはお湯が必要です。
160ml × 50人 × 9食 = 72L
100人なら144Lもの「調理水」が必要になります。実際にはパンなども組み合わせるため全食アルファ米にはなりませんが、「水でも作れる」と「水を使わず食べられる」は全く別物であるという認識が必要です。
3.「調理水を使わない非常食」5選
今回は、伊藤サプライで取り扱い可能な商品の中から「水を使わず食べられること」を軸に5つ選びました。お気になる商品があれば、ぜひお問い合わせください。
どれが一番優れているかではなく、発災からの時間軸で「向いている使い方」を比較します。
① ジャパングッズ株式会社 防災・備蓄おにぎり【5年保存】
ご飯なのに「水・お湯・火がいらない」究極の初動食最大の特徴は、水も、お湯も、火も不要で開封してそのまま食べられること。国産米100%のしょうゆ味で常温5年保存。発災直後の停電・断水・安否確認で混乱している状況下でも、「配って開ければ食べられる」ため初日の主食として極めて合理的です。

出所:ジャパングッズ株式会社 パンフレット
② 河野総合防災&永谷園 災害備蓄用フリーズドライご飯【7年保存】
水があれば5分。なくても、そのまま食べられる二段構え基本はお湯3分・水5分で作れますが、水が全くない状況でも「サクサクした状態でそのままスナック感覚で食べられる」のが特徴。水が確保できる状況とできない状況、双方に対応できるため法人備蓄としての安心感が高い製品です。(アレルゲン28品目不使用)

出所:河野総合防災パンフレットより
③ HOZONHOZON「おいしいごはん」【7年保存】
「水なし=乾パン」のイメージを覆すレトルトご飯調理済みのレトルト食品で、水を使わず開封後そのまま食べられます。和風鯛ごはん、海鮮カレーなど味が豊富で、「水を使わなくても食事らしい食事ができる」ため、2・3日目の社員のストレス軽減に大きく貢献します。(特定原材料28品目不使用)

出所:HOZONHOZON パンフレットより
④ The Next Dekade 7年保存レトルト米粉パン【7年保存】
3日間、ご飯だけにしないためのバリエーション水を使わない非常食をご飯ばかりで固めると飽きが来ます。「朝はパン、昼はおにぎり」と組み合わせることで食生活に変化を出せます。プレーン・ストロベリー・ココアの3種類があり、調理不要でそのまま食べられます。そして、特筆すべきは「植物アレルギー特定原材料等28品目と貝類不使用」という点。食の安全にも配慮されています。

⑤ AST「新・備」非常食セット【5年保存】
「1人1日3食・3日間」をワンボックスで管理水・電気・ガス不要の食品(パン、リゾット、ようかん等)が最初から「3日分セット」になった製品。総務担当者にとって「100人なら100箱配備するだけ」という圧倒的な管理のしやすさが魅力です。保管も写真のように縦置きができるサイズで、拠点単位の配備にも適しています。

出所:Ast社パンフレットより
4.企業備蓄なら「初日は調理水ゼロ」という考え方
震災の教訓から伊藤サプライが提案したいのが、「初日の食事は、できるだけ調理水ゼロにする」という考え方です。
| 時期 | 非常食の組み合わせ例 | 食数(50人規模) | 調理水 |
|---|---|---|---|
| 初日 朝・昼 |
備蓄おにぎり・米粉パン | 100食 | ゼロ |
| 初日 夜 |
HOZONHOZON(レトルト) | 50食 | ゼロ |
| 2日目 | レトルト + フリーズドライ等 | 150食 | 水が確保できれば使用 |
| 3日目 | フリーズドライ・パン等 | 150食 | 水が確保できれば使用 |
商品名から選ぶのではなく、「1日目の朝には何が起きているか?」から逆算して配置を分けることが重要です。
5.水不要だからといって、乾いた食品ばかりにしない
注意したい点もあります。
水を使わないからといって「乾パン・クッキー・クラッカー」だけを大量に揃えるのは危険です。乾いた食品ばかり食べると余計に水が欲しくなり、またストレスで食欲が落ちる人もいます。
「水を使わないこと」と「水なしでも食べやすいこと」の両方を見る必要があります。おにぎり、レトルトご飯、パン、ようかん、おかずなどをバランス良く組み合わせるのが現実的です。
6.伊藤サプライでは「3日間の食べ方」から非常食を組みます
今回紹介した5商品は、いずれも伊藤サプライで取り扱い・一括手配が可能です。どれか一つだけをおすすめするわけではありません。
伊藤サプライでは、こうした条件をもとに「3日分の最適な組み合わせ」をご提案・お見積りいたします。また、納品記録をもとにした将来の入替え・補充時期のご案内までサポートします。
「非常食はある。でも、その非常食を作る水は?」という視点で、一度備蓄を見直してみてはいかがでしょうか。
防災備蓄のご相談・お見積り
「掲載されている商品の購入を検討したい」「水を使わない非常食を中心に組み合わせたい」など、初回の選定からその後の入替えまで、お気軽にご相談ください。
※掲載商品の仕様・価格・保存期間等は、メーカー資料確認時点の内容です。実際のお見積り時には最新の仕様・在庫をご確認ください。